iOSやmacOSの進化 アップルファンが語るここがすごい(日経トレンディネット)



6/12(火) 12:00配信

日経トレンディネット

米アップルは2018年6月5日(日本時間)、米カリフォルニア州サンノゼで開催した開発者向けイベント「WWDC 2018」を開催アップル 旧機種がサクサク動く、iOS 12などを発表。ハードウエアの発表はなかったが、iOS 12や新watchOS、新macOSなどのソフトウエアの進化を発表した。日経トレンディネットの連載「イトウアキのアップル系と呼ばれて」でおなじみのライター、伊藤朝輝がインプレッションを語る。

【関連画像】macOSとiOSと環境が統合されるという噂は完全否定し、iOSアプリをMac用アプリとして移植しやすい環境をmacOS側に用意するとの回答だった

 今年のアップルの開発者向けイベント「WWDC 2018」では、新ハードウェアの発表は一切なかった。事前には、顔認証を搭載してさらに狭額縁になった「iPad Pro」とか、ホームボタンをなくした新デザインの「iPhone SE 2」が出るかもしれない、しかもiPhone SE 2は鮮やかなカラバリが展開されるのではといった噂があり、期待していた人もいるのではないだろうか。みんなが期待しているとわざと発表しないのではないかと思うことがある。アップルのそんな「ツンデレ」なところがたまらない。新型のiPad Proは別のタイミングで発表されるに違いない。こっちだって、新ハードウエアはいつかは必ず出るから、別にがっかりしてないんだからね。

 というのも、筆者はアップル製品が好き過ぎるあまり、発売されない製品のことまで気にしていると仕事が手につかなくなってしまう。そのため、噂はあまり頭に入れないようにしているし、入ってきても深く考えないように自己防衛している。非公式な情報には振り回されず、イベント当日を平常心で迎えるのが一番だ。

MacでiOSアプリが動くの?

 しかし、今回うっかり目にした噂の中で気になって仕方がないものがあった。それは「Marzipan」(マジパン)というコードネームで呼ばれる、macOSとiOSの統合環境について。iOS端末用に開発したアプリが、そのままMacでも動くようになるというものだ。これは、必ずしもいいことではない。Macの画面でタッチ操作をするのはまだ早いと思う。Macに搭載されているCPUをインテル製から、iOS端末と同じARMアーキテクチャーベースの自社製に置き換えるのではという話も重なって、自分の中で妙に信ぴょう性が上がってしまった。

 macOS/iOS統合環境については、イベントの後半で完全に否定したものの、アップルとしては別の回答用意していた。iOSアプリを開発する際にインターフェース部分を担っている「UIKit」と呼ばれるフレームワークをmacOSにも「UIKit for macOS」として提供するというのだ。

 開発者がこれを利用することによってiOSアプリとして開発したアプリを、Macに移植する際の負担が軽減できる。移植されたアプリのインターフェースは、アップルがMacに最適化したものを用意するので、Macアプリの開発経験が浅い開発者でも少ない工数でMacの作法に則ったアプリを開発できるものと期待できる。

 イベントでは、さらに面白い種明かしがあった。ここまでの発表でiPhoneに以前から搭載されている標準アプリ「News」「株価」「ボイスメモ」「ホーム」などのMac版アプリが紹介されていたのだが、これらが実は前述のUIKit for macOSを使ってアップル自身が移植したものだった。

 イベントをリアルタイム視聴しながら、画面に向かって思わず「すげー!」と言ってしまった。イベント冒頭のiOS 12の紹介で、標準アプリ「News」「株価」「ボイスメモ」「ホーム」のiPad版について紹介されたのは前振りだったのだ。あちこちに張られていた伏線が一気に回収される面白いドラマを見ているようにじわじわと気持ちが高揚してきた。

 この開発環境がサードパーティの開発者に解放されるのは2019年になる予定だそうだ。「News」「株価」「ボイスメモ」「ホーム」などの標準アプリは、今年の秋に公開される新macOSで公開される。新しいプラットホームやインターフェースを実装した場合、アップルがまずお手本となるアプリを作って、開発者やエンドユーザーに使い方を示すのが恒例。今回もそのような展開になる。

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