ネットのデマをデマだと見抜く3つのポイント お騒がせSNS時代のサバイブ術(日経トレンディネット)



「大学教職員による無断キャンセル」が拡散

 あれは5月の半ばのことです。「うどんや 蛞蝓亭(なめくじてい)」を名乗るアカウントが「国際信州学院大学の教職員に50名の予約を無断キャンセルされた」とTwitterに投稿し、そのツイートがネットを駆け巡りました。ツイートには「#拡散希望」のハッシュタグとともに、ずらりと並べられた料理とガラガラの席の写真が添えられていました。

【関連画像】実在しない国際信州学院大学の公式サイト

 Twitterにはドタキャンされた飲食店の嘆きが投稿されることはよくあり、投稿を見た有志がその飲食店に出向くといった心温まるエピソードも見受けられます。そんなカルチャーもあるからか、この投稿は瞬く間に拡散され、大学教員への怒りや批判のツイートも多数投稿され、Twitterの「おすすめトレンド」にも入りました。

 ところが、その後衝撃の事実が発覚します。実は、このうどん店だけでなく、大学までもが実在しない、すべてが巧妙な「釣り」投稿だったのです。

 驚いたことに「国際信州学院大学」には手の込んだ公式サイトがあり、トップページには「本学教職員の不祥事についてのお詫び」としてPDFも掲載されています。公式サイトには、学校の歴史や入試案内も掲載されており、一見したところ実在する大学にしか見えません。大学の公式Twitterだけでなく、マスコットキャラクター「フラッパー君」のTwitter、教員紹介に掲載されている名前のTwitterアカウントも存在します。

 発祥は巨大電子掲示板の「5ちゃんねる」だったようですが、ネットを通じた架空の大学を作る遊びの技術力が高度だったため、一部が真に受け、拡散してしまったというわけです。

都市伝説や嘘松、ねつ造が拡散する理由

 今回の件に限らず、ネットには以前からデマや嘘のニュースが蔓延しています。最近はSNSを通じて一斉に拡散されるようになりました。

 先ほどの「釣り」投稿のような、悪ふざけ投稿は日常的にあります。「○日に巨大地震が起こる」「○日に富士山が噴火する」といった予言系はLINEのタイムラインにも派生し、小中学生たちを震え上がらせています。昔は都市伝説として学校の噂になったものですが、今はネットを通じても広がるのです。

 また、「レジで順番を守らなかったシニアにガツンと注意したら拍手喝采された」「マクドナルドで女子高生が話してたけど~」といったツイートもよく見られます。うまくできすぎている話が多く、作り話と認定されると「嘘松」と呼ばれます。嘘松の由来は諸説あってはっきりしませんが、「電車内」や「女子高生」「外国人の友達」などのキーワードが入っていると創作の可能性が高まります。

 完全な作り話なら笑い事で済むのですが、事実をねつ造する投稿は問題ですよね。テレビ画面を撮影し、テロップを加工して実際には話していないセリフを言ったように見せた画像は、数え切れないほどネットに流れています。パッと見た感じでは本物の画面に見えるため、信じてしまうのも無理はありません。

 こうしたリツイートや「いいね!」を稼げそうな投稿は、投稿をパクる(=コピーする)「パクツイ」アカウントがさらに拡散するため、リテラシーの高い人は何度も目にすることになります。しかし、初めて見た人には驚きの事実として受け止められ、ついシェアしてしまうのです。

 米マサチューセッツ工科大の研究チームが2018年3月に発表した調査(学術誌「Science」:http://science.sciencemag.org/content/359/6380/1146.full)によると、Twitterでは誤ったニュースが正しいニュースよりも速く、そして広く拡散するとのこと。受け止める側が目新しいと感じると情報を共有する可能性が高い、と分析されています。

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