中国の動画配信 若者は金を払ってネット動画を見る(日経トレンディネット)



6/2(土) 12:00配信

日経トレンディネット

 中国と言えば、違法コンテンツがあふれているという印象が拭えない。しかし、その事情は変わりつつある。中国政府の規制で米Netflixや米Amazon.comといった外資のサービスこそ参入していないものの、有料動画配信サービスが独自に発展しているのだ。そこには、権利処理をクリアしたコンテンツが並ぶ。中国の動画カルチャーの最先端をリポートする。

【関連画像】アリババ傘下のアリババ・メディア&エンターテイメント・グループが運営する「Youku」(同サイトから)

●動画配信サービス利用者は5億7900万人

 数年前まで中国の動画配信サービスは、違法コンテンツだらけだった。それが今や、資金力のある中国トップIT企業が正規ルートでアニメなどのコンテンツを買いそろえ、オリジナルのドラマやバラエティーを手がける配信サービスに主流が移りつつある。中でも、アリババ傘下のアリババ・メディア&エンターテイメント・グループが運営する「Youku」、テンセントの「V.QQ.com」、バイドゥの「iQIYI」の3つが中国三大オンラインサービスとしてシェアを伸ばしている。

 これらの動画配信サービスに世界の映像取引市場が注ぐ視線は熱い。海賊版問題は過ぎ去ったこととして、香港、台湾、韓国のスタジオから、米国の主要5大ネットワークであるNBCまで、手を組む企業が次々と現れている。日本のNHKの番組なども正式取引されて配信されている。テンセントのV.QQ.comでは「関口知宏の中国鉄道大紀行」など、NHKの番組が人気という。

 先月フランス・カンヌで開催されたテレビ見本市「MIPTV」では、アリババ・メディア&エンターテイメント・グループのプレジテント、Yang Weidong(ヤン・ウェイドン)氏がキーノートのトップを飾り、自国の動画配信サービス市場の盛況ぶりを報告した。

 「中国の動画配信サービスは巨大化し、なかでも有料会員数は急速に伸びている。中国インターネット情報センター(CNNIC)によれば、中国の動画配信サービスを利用するユーザー数はインターネットユーザー全体の75%を占める5億7900万人に達し、有料定額制サービスは全体で前年の2倍の伸びを示している」(Weidong氏)

 注目すべきは、有料会員数の増加だ。中国人ユーザーの間でコンテンツにお金を払う意識が高まっている。わずか数年前までは、違法動画を試聴することに抵抗がなかったユーザーの情報リテラシーが急激に向上しているのだ。

 このトレンドを作っているのは若年層である。米国では1980年代から2000年代初頭に生まれたデジタルネイティブの若者を「ミレニアル世代」と呼んでいるが、中国では「ミレニアル世代」を「80後(バーリンホウ)=1980年代生まれ」や「90後(ジョウリンホウ)=1990年代生まれ」と表す。その世代が5億人強のユーザー数を抱える動画配信サービスの成長をけん引している。中国経済の成長発展と共に育った若者の多くは、お金にも時間にも余裕を持ち始め、趣味のためにお金を使うことをいとわない。自分が見たいアニメやドラマを探し求めて、テレビよりもバラエティーに富んだ動画配信サービスを選んでいる。

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