逆襲のシャープ デュアルカメラAQUOS R2に見る先進性 佐野正弘の“日本的”ケータイ論(日経トレンディネット)



5/17(木) 12:00配信

日経トレンディネット

2017年、国内のAndroidスマートフォンメーカーで販売台数1位の座を獲得したシャープ。その地位を確固たるものにすべく、同社が5月8日に打ち出したのが、動画と静止画を同時に撮影できるデュアルカメラを搭載した、新しいフラッグシップモデルの「AQUOS R2」と、SIMフリー専用モデルの「AQUOS sense plus」の2機種だ。これらの新機種からは、スマートフォン市場におけるシャープの強さが透けて見える。

【関連画像】シャープは、国内のAndroidスマートフォン販売台数でソニーモバイルを抜いて首位に立つなど、業績好調だ。写真は5月8日のシャープ新製品発表会より

●Androidスマホで国内シェア第1位に

 2017年、国内のスマートフォン市場では、ある大きな変化が起きていた。それは、調査会社BCN(東京・千代田)による国内のAndroidスマートフォンメーカーの販売台数ランキングにおいて、シャープがソニーモバイルコミュニケーションズから首位の座を奪ったことである。

 シャープが躍進した要因の1つに挙げられるのが、ブランドの統一である。2016年までは大手3キャリア(通信事業者)に同一のモデルを投入しながらも、キャリアごとに端末名を変えていたため、ブランドイメージが定着しづらかった。しかし昨年、市場に投入したフラッグシップモデル「AQUOS R」でブランドを統一したことで、ユーザー認知が高まり販売拡大につながったのである。

 もう1つは、端末そのものの質の高さと安心感である。2017年5月に発売されたAQUOS Rはフラッグシップモデルとして目立つ要素は少ないものの、同社が強みとするIGZO液晶の性能をフルに生かした使い勝手の良さと、OS(基本ソフト)のアップデートを2年間保証することで高い評価を得た。

 加えて、AQUOS Rの半年後に発売されたコンパクトモデル「AQUOS R Compact」では、やはり液晶を手掛けるシャープの強みを生かし、端末の形状に合わせてディスプレーの形を変える「IGZOフリーフォームディスプレイ」を採用。コンパクトモデルながらも4.9型という大画面と、手にフィットする丸みを帯びた本体デザインを採用したことで注目を浴びた。

 この2モデルに加えてシャープの躍進、特に販売面で大きなインパクトを残したのは、ミドルクラスの「AQUOS sense」だ。フルHDのIGZO液晶を採用しつつ低価格を実現した同モデルは、大手キャリアだけでなくサブブランドでも販売されている。またMVNO(仮想移動体通信事業者)向けには、本体の質感をやや変えたSIMフリーモデル「AQUOS sense lite」を用意。端末の販路を広げ、コストパフォーマンスの高い端末としてヒットした。

 シャープは液晶事業の不振などで経営危機に陥ったことから、2016年に台湾の鴻海精密工業の傘下となった。だが鴻海の後ろ盾を得たことで経営面の不安がなくなり、シャープ本来の強みを生かせるようになった。それがシャープのスマートフォン市場における躍進につながっているといえそうだ。

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