【総務省】標的はサブブランド優遇から4年縛りへ 佐野正弘の“日本的”ケータイ論(日経トレンディネット)



2017年12月に発足した有識者会議「モバイル市場の公正競争促進に関する検討会」の第6回が4月20日に開催された。しかしその報告書(案)からは、最重視されていた大手キャリアによるサブブランド優遇のほか、いくつもの課題について有効な施策が見えてこない。サブブランド優遇の問題を追及しきれないまま、今度は「4年縛り」を問題視し始めた総務省だが、まず規制ありきという姿勢を見直すべきとの声もある。

【関連画像】総務省が昨年末から実施してきた有識者会議「モバイル市場の公正競争促進に関する検討会」。今回は大手キャリアのサブブランド優遇などが議論された

●KDDIはUQモバイルを優遇しているのか

 数年前までは、MVNO(仮想移動体通信事業者)が大手キャリア(通信事業者)から顧客を奪って急成長していた。ところが、大手キャリアが相次いで低料金プランやサブブランドの強化といった流出防止策を打ち出したことで状況が一転。大手キャリアからの顧客流出に歯止めがかかった反動で、今度はMVNOが窮地に立たされている。

 そうした状況の下、総務省によって2017年12月に有識者会議「モバイル市場の公正競争促進に関する検討会」が発足した。いわゆる「2年縛り」の問題や、中古端末が流通しない現状など、これまでにも指摘されていた問題に加え、大手キャリアのサブブランド優遇についても議論するというものだ。

 サブブランドと呼ばれるのは、一般的にはソフトバンクの「ワイモバイル」と、KDDI子会社のUQコミュニケーションズ(東京・港、以下UQ)が運営する「UQモバイル」。それらが提供する通信サービスは、他のMVNOと比べて昼時などの混雑時でも通信速度が落ちにくい。2社並みの通信速度を実現するには、莫大なコストをかけてより多くの帯域を借り受ける必要があるにもかかわらずだ。

主眼はサブブランド優遇から「4年縛り」へ

 今回の有識者会議では「大手キャリアは自社のサブブランドを優遇しているのではないか」、具体的には「KDDIがUQに回線を貸し出す際の条件がmineo(マイネオ)などのKDDI系MVNOに貸し出す際の条件と異なるのではないか」との声が上がった。特にUQが批判にさらされたのは、同じサブブランドでもワイモバイルはソフトバンク自身が運営しているため、ネットワークなどの貸与がないからだ。

 これに対してUQは、基本料金を他のMVNOより高く設定して収益を確保することで、より多くの帯域幅を借り受けて通信速度を維持していると説明。またUQが公表した資料からは、取引上の優遇は確認できなかった。

 結果としてまとめられた検討会(第6回)の報告書(案)を見ると、今後も大手キャリアのサブブランドやグループ企業に対して過度な金銭的補助がないかを検証するなどの方針は示されたものの、サブブランドの存在を大きく揺るがすような施策はないようだ。

 サブブランド優遇問題を追及しきれなかった一方で、検討会(第6回)では「契約更新」の問題へと主眼が移りつつある。店頭でいまだに行われている行き過ぎた端末購入補助への対処に加え、新たにクローズアップされた問題が「4年縛り」だ。

 「4年縛り」とは、端末を4年間の割賦で購入する代わりに端末代を割引するプログラムのこと。auの「アップグレードプログラムEX」や、ソフトバンクの「半額サポート」などがこれに相当する。この「4年縛り」も、「2年縛り」と同様に顧客の流動性を阻害する大きな要因になるというのだ。

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