人気スポットやスイーツを手がける「女子大生仕掛け人」辻愛沙子が語るSNSの仕掛け方(日経トレンディネット)



 つぎつぎと新しい手土産やスイーツが生まれる東京の原宿・表参道エリア。そんな注目のエリアでじわじわと話題になっているスイーツが、2018年2月に発売された「RingoRing(リンゴリング)」だ。輪切りにしたりんごに衣をつけて揚げており、見た目はドーナツのよう。だが、口に入れるとりんごの酸味が広がり、想像よりもさっぱりとした味わいだ。

【関連画像】「RingoRing」(税込み350円)。輪切りにして紀州梅入りのフルーツビネガーとはちみつに漬けたりんごに衣をつけて揚げている

 リンゴリングを扱うカフェ「the AIRSTREAM GARDEN(エアストリームガーデン)」の小野正視氏は「売り上げは当初の想定の5倍ほど。手土産用に数個まとめて買っていく人も少なくない」と話す。だが、リンゴリングという商品そのものよりも注目を浴びているのが、商品をプロデュースした大学生・辻愛沙子氏だ。

 リンゴリングの味付けは食に関するプロが行ったものの、りんごを揚げたスイーツというコンセプトやロゴを考えたのも辻氏だという。昨今は“インスタ映え”する食べ物やスイーツが増えているが、「フォトジェニックであることはたしかに重要。でも、『1回写真を撮ったら2回目はもういい』というスイーツではなく、もう一度食べたくなる商品をつくりたいと考えた」と辻氏は語る。

 辻氏は大学に通う現役の大学生ながら、企業向けのブランディングや店頭プロモーションなどを企画する会社に勤務している。インターンやアルバイトではなく、正社員として採用されており、肩書は「デザイナー/アーティスト」。実は、辻氏は2017年夏に話題になった「ナイトプール」など人気スポットの空間デザインを手がけただけでなく、ハッシュタグを駆使してSNSでの拡散に成功した“女子大生仕掛け人”なのだ。

小6で留学情報を集め、中2で単身渡欧

 辻氏が“女子大生仕掛け人”となったきっかけは、幼少期にさかのぼる。小学生の頃から海外に強い興味を持ち、「小6のとき、インターネットで情報を集めて、親に留学したいと懇願した」(辻氏)。

 2010年、中学2年生で単身渡欧。英国の全寮制語学学校を経てスイスの全寮制アメリカンスクールに入学する。その後渡米し、ニューヨークで高校生活を送った。もともと絵を描いたりするのは好きだったそうだが、このころからウォールアートなどのアート制作にも積極的に取り組み始めた。2014年9月、大学に入学するために帰国。当初は学生生活を満喫していたというが、「海外留学時の友人のアグレッシブさに影響を受け、課題を発表するだけの学生生活に物足りなさを感じるようになった」と辻氏は振り返る。

 今の自分にできることはないか。そう考えた辻氏は、学業のかたわらアパレル企業でプレスとして働き始める。思い立ったら即実行する。そうした行動力は、留学を決めた幼少期から芽生えていたのだろう。ファッションだけでなく、映像制作に興味を持った時期もあったというが「積極的に見ようとしていない人にまでメッセージが届く広告という業界に次第に興味をひかれるようになった」(辻氏)。

 そんななか、現在の勤務先であるエードットに出合ったという。当初はインターンとして働いていたが、辻氏の姿勢に共感した同社が、学生でありながら正社員として採用する「学生社員」という枠を新設。2017年4月に正式に入社したという。

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