モバイル決済率8割、中国での送別会 中国・天津のフィンテック生活(日経トレンディネット)



 中国では今、スマートフォンを使った送金や決済が人々に生活に浸透している。特に2次元コード(QRコード)を活用したモバイル決済は中国の生活ではなくてはならないものとなっているという。その背景には、偽札が横行する中国では、日本と違い現金に対する信頼性の低さがあるようだ。とはいえ、スマートフォンからメッセージを送信する、あるいはカメラでQRコードを読み取るだけで決済がほぼ完了する――この手軽さは一度使ったらやめられない。日本よりもフィンテック分野で先行する中国のリアルな姿を現地に滞在する岡部真記さんに紹介していただいた。

【関連画像】天津甘栗屋での決済の風景

 中国・天津での生活を始めて約1年。初めての春節は街が活気に包まれ、改めてこの国の年明けは2月なのだと実感した。

 筆者が天津に渡ったのは2017年3月のこと。その少し前から、日本ではテレビや新聞でフィンテックや仮想通貨の文字を頻繁に見かけるようになり、興味を持ち始めていた。実際に仮想通貨を持ってメリット・デメリットを体感しておけば、いつか自分の仕事に役立つかもしれない。

 わずかばかりのビットコインを手に入れてみたが、当時は送り合える友人もいなかった。できることと言えば、利用できる店舗リストを眺めるくらい。中国への旅立ちを迎え、現地での生活に悪戦苦闘しているうちにフィンテックや仮想通貨への興味は、いつしか忘却の彼方へと失われていった。

 ところが、あるときふと気が付いた。筆者の生活はいつの間にか、電子決済や、それとひも付いた数々のフィンテックサービスに囲まれているではないか。

 つい先日のことだ。筆者は、13人の日本人が集まる送別会で幹事をすることになった。飲み物などの注文は各自自由。最後にまとめて、「支付宝(Alipay)」で支払った。ゲストと自分を除く11人には後日、現金、Alipay、「微信支付(WeChat Pay)」のどれかで支払ってほしい旨を伝えておいた。

 結果、2日以内に7人がAlipay、2人がWeChat Payで送金してくれた。現金払いはたったの2人だった。Alipayは、電話番号検索などで発見した友達を指定してお金を送れる。WeChat Payは、メッセージを送る要領で「送金」ボタンをタップすれば、金額を入力してすぐに送金可能だ。履歴も残り、確認も非常に楽。おつりの準備もいらず、幹事にとってはありがたい。

 現金好きといわれる日本人であっても、中国の生活に慣れると電子決済を自然と使う。街で天津甘栗を買うにも、大根1本を買うにもスマートフォンを使った電子決済。生活に欠かせない一部になっていることにわれながら驚く。「新しいテクノロジーを使っている」などという特別感はまったくない。

【関連記事】

Related Post



コメントを残す